民族時報

民族時報 第1279号(16.10.7)


【論説】

朴政権の政経癒着-権力型不正が表面化

朴槿恵政権の政経癒着と崔スンシル氏
 朴槿恵政権の権力型不正が表面化している。朴大統領の退任後に備え設立されたとする疑惑を呼んだ「ミル財団・Kスポーツ財団」と関連し、大統領府と全国経済人連合会(全経連)、朴大統領の最側近として知られる「影の実力者」崔スンシルが関与した政経癒着、権力型不正が明らかになった。2つの財団に対し、企業は短期間に774億ウォン(約77億4000万円)を拠出し、政府はわずか1日で財団設立を認可した。大統領府と全経連は財団設立と拠出への関与を否定していたが、証拠が次々と暴露されるや、全経連は10月中に2つの財団を解散・統合し、新たな財団をつくると電撃的に発表した。財団設立と運営に「影の実力者」が介入した疑惑を隠すためだ。ただし現行法では、第3者が財団を解散できないよう制限しているという。

ミル・Kスポーツ財団設立を大統領府と全経連が主導

 ミル財団は昨年10月、Kスポーツ財団は今年の1月に設立された。2つの財団は、定款(かん)と会議録のねつ造など書類不備にも関わらず、文化体育観光省はわずか1日で認可した。企業は財団側の督促を受けて、半月で774億ウォンの拠出金を納めた。崔スンシル氏は自身の側近を財団の理事長に選任するなど、2つの財団の設立と運営に深く介入した。拠出金を出した大企業の文献では、2つの財団は大統領府と全経連が法人設立を推進し、「代表上位18グループが参与、売上高基準で拠出金500億ウォン(約50億円)を割り当て」と明記されており、企業が自発的に拠出したのではなく、権力が介入した可能性を示している。国政監査で大企業関係者は「大統領府の安鍾範首席秘書官が全経連に口をきいて、全経連が一括して企業に割り当てし金を集めた」と録音記録で証言した。

 朴大統領は公の場でミル財団の事業を「大きな意味がある」と言及し、2つの財団は資格が無いにも関わらず、朴大統領の海外歴訪に何度も同行し国家事業に関わってきた。財団設立と集金過程で安秘書官と崔氏が介入したとされる疑惑を、朴大統領が説明すべきとする野党の要求に対し、朴大統領は「非常時に飛び交う誹ぼうと確認できない暴露発言は、社会を動揺させ混乱を深める」とし、擁護した。

 全経連が組織的に大金を拠出した理由は明白だ。財閥企業が赦免、復権、仮釈放、減税など特恵を通し、利益の最大化を図ろうとする思惑があるからだ。政経癒着の権力型不正だ。

 一方、全経連の財団解散方針に沿って、財団に巨額の資金を拠出した財閥企業らは、いち早く関連書類を廃棄するなど、組織的な証拠隠滅を図っている。2つの財団も同様だ。集金と運営過程での違法行為を隠ぺいするためだ。市民団体である投機監視センターは、2つの財団の集金圧力疑惑と関連し、安秘書官と崔氏らを特定犯罪加重処罰法上の収賄容疑で、全経連会長と副会長、サムソン、現代など62の拠出企業・82人を背任容疑で告発するとしている。

朴槿恵大統領と「影の実力者」崔スンシル

 朴大統領は20代の頃から崔スンシル(大統領府の門番3人衆の1人である鄭允会の元妻)ととても親しいことで知られている。乗馬選手である崔氏の娘・鄭氏(20)に対し、財閥のサムソンは約10億ウォン(約1億円)の名馬を提供。ドイツに馬場も購入し、海外練習を支援している。

 特技入試制度の規定を変え梨花女子大に特恵入学した鄭氏が、欠席が多く除籍警告を受けるや、崔氏は娘と一緒に梨花女子大に抗議。指導教授を交代させ学籍を維持できるようにし、学校の規則を変更させた。教育省は、崔氏の娘に各種の特恵を保障した梨花女子大に財政支援事業を与えた。入学特恵疑惑と関連してセヌリ党は、野党による崔キョンヒ梨花女子大総長の国政監査証人を阻止するため、国会先進化法を利用した。朴大統領の最側近疑惑をもみ消すために権力が動員され、国政監査を無力化させたのだ。大統領という「強大な背後」がいたためだ。

 一方、大統領府は、禹柄宇秘書官とミル・Kスポーツ財団への拠出を主導した安秘書官を密かに調査していた李碩洙特別監察官の辞表を受理し、特別監察担当官6人に解職を通告した。

 3野党は9月24日、アパート特恵、不当な医療特恵など数々の疑惑を抱えた金在水・農林畜産食品相の解任建議案を国会で通過させた。しかし、朴大統領は「3権分立原則の違反」という批判にも関わらず、憲政史上初めて解任建議案を拒否した。セヌリ党は「野党の横暴」と反発し、国政監査をボイコット。国会前で丁世均国会議長の辞任を求める集会を開き、李貞鉉院内代表が断食ろう城をするという醜態をさらした。これに対し保守メディアは、断食を大々的に報じ、権力不正、政経癒着に対する国民の批判をそらすために必死だ。

 10月19日まで延長された国政監査で、朴政権の権力型不正疑惑を徹底的に追求しなければならない。

(河民宇記者)


HOME MENU バックナンバー